カメラマンの職業漫画:「ライカの帰還」  吉原昌宏

  
ライカの帰還
 マン活王子の
 職業漫画書評点数!
 4
 5
 5
 この職業漫画は
 こんな人におすすめ♪
 ・追求心がある
 ・妥協したくない
 ・仕事が生きがい
 ・真実を伝えたい
 ・表現したいものがある
>>カメラマンとは?

 ◆「ライカの帰還」 のあらすじ

1944年(昭和19年)フィルピン、エンガノ岬沖。

日本海軍は、全艦艇を投入して、米海軍に決戦を挑んだ

比島沖(ひとうおき)海戦では、
日本海軍の4隻の空母が、主力の身代わりに、米軍の空襲を引き受けるおとりになっていた。

海軍少尉・楠勝平(くすのきかっぺい)の乗っていた帝国海軍航空母艦「瑞鳳(すいほう)」もそのうちの1隻。

勝平は、もともと戦闘機の操縦員だったけれど、飛行機がもらえず鑑(ふね)に異動になった。
でも、鑑の上では、戦闘配置の命令さえ与えられないでいた。

やることのない勝平は、自分のカメラで、帝国海軍の奮闘ぶりを記録に残すことにした。

勝平が持っていたカメラは、当時家が建つくらい最高級の、ライカIIIa。
ライカは父の形見で、勝平は肌身離さず持っていたんだ。

勝平は、戦闘中も飛んでいる敵機をひたすら撮り続けた。
ファインダー越しにみる世界は現実感がなくて、恐怖を感じなかった。

瑞鳳は、米軍の集中攻撃に合い、おとりの役目を果たし、沈没しようとしていた。

艦から逃げる人達を見ながら、勝平は、
自分は何のために、誰のために写真を撮っていたのだろうかという思いが頭をよぎる。

海に飛び込んだ勝平が、海面から顔を出すと、
高く持ち上がった艦首に座っている、一人の水平の姿が目に入った。

その男は、しばらく動かず、鑑が沈没寸前、海へ飛び込んだ。

その姿はとても美しく感動的なものだった。
勝平が撮らなければ、という衝動にかられた瞬間、瑞鳳は沈没した。

1947年(昭和22年)。

戦後復員した勝平は、知人の紹介で、太陽新聞社の入社試験を受けた。

スタッフ・カメラマンとして採用された勝平は、好きな写真でメシが食える、と大喜び。
夢中で仕事を覚えるうちに、あっという間に1年が過ぎた。

太陽新聞社・東京本社。
月間誌「サングラフ」編集部では、復興しつつある日本を航空から撮影し、巻頭ページを飾ろうという企画を立てていた。

だけど、まだ連合国の占領下にあった日本は、あらゆる航空活動が禁止されていたため、空を自由に飛ぶことができなかった。

勝平は、航空機からじゃなくても、高いところから撮ればいいのでは、と提案。

パリのエッフェル塔より高い、ラジオ放送用のアンテナに登って撮影することになった。

そのアンテナがあるのは、埼玉県の川口市第一放送所。

勝平は、現場に向かい、戦時中撮れなかったシャッターチャンスを取り戻すために、危険をかえりみず、鉄塔へ登り始めた。

自分にしか見えない景色を求めて・・・。

写真は、ある瞬間を切り取ったもの。
前後が見えないから、真実が曲げられる可能性もあるけれど、
カメラマン達は、命がけでその瞬間を撮り続ける。

「ライカの帰還」は、カメラマンのプロ意識が感じられる漫画だよ。
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◆ カメラマンの職業漫画「ライカの帰還!」について語る ◆

「ライカの帰還」を読んでカメラマンになった人、
カメラマンを目指している人のコメントも待ってるね♪


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